天竜丸澤株式会社

技術情報

Technology

DCソレノイドとは

電磁コイルを装備し、電気的エネルギーを機械的直線運動に変換させることを目的とした機能部品です。

ソレノイドの基本的構造

DCソレノイド選定における参考情報

寿命について

ソレノイドの寿命は、主としてプランジャとプランジャガイドとの摺動面の摩擦および使用条件によって左右されますが、通常数万から数十万回が一般的な値です。

しかしコンピュータ周辺機器・事務機など、高頻度、長寿命を要求される場合は、プランジャまたはガイド面に特殊処理を施すことによって数百万以上の寿命を持たせることができますので設計の節はご留意下さい。

消音について

通常のタイプのソレノイドでは、プランジャが吸引され、プランジャ受に衝突したときに金属音を発生します。当社ではその金属音を消すようにした消音タイプも制作しております。

消音タイプとはプランジャが吸引されてもプランジャ受には直接当たらないよう緩衝物で約0.5mmのギャップを取り金属音を消すようにしたものです。

但し、吸引力特性曲線は、使用ストロークに対して0.5mmを加えた値でお読み下さい。

電圧変動による吸引力値の変動

電源電圧の変化が、ソレノイド本体の温度上昇に影響を与えない場合

電源電圧の変化がきわめて短時間の場合、及びソレノイドの使用時間がきわめて短い場合、電源電圧の変動はそのままアンペア・巻数(A・T)の変化となってあらわれ、吸引力変化となります。

電源電圧の変化がかなり長時間にわたる場合

電源電圧の変動により吸引力値は変化するが、同時にソレノイド本体の温度も変化するため、当然温度変化による吸引力値への影響も見逃せません。

温度上昇に関する技術資料 ※JIS C4004(1988確認)

温度上昇の測定には一般に水銀あるいはアルコール温度計を用いて測定する温度計法が簡便で良く用いられる方法でありますが、リレーやソレノイドの場合のコイルの温度上昇は内部から外部へ向っての温度傾度がかなり大きく、外側の温度を測っても不完全です。

そこで一般には銅の抵抗温度係数を利用した抵抗法によって平均温度を測る方法がとられています。

  • 抵抗法計算式は下記のようになります。

    抵抗法計算式
  • この式よりt2を求めると、

    抵抗法計算式

    温度上昇分θは、上で求めたt2より

    抵抗法計算式

    で求められます。

  • 上記(1)、(2)式を変形して計算に便利な形にすれば、抵抗法による温度上昇計算式となります。

    抵抗法計算式
    • t1=通電前の温度[℃]
    • R1=通電前の抵抗[Ω]
    • t2=通電後の温度[℃]
    • R2=通電後の抵抗[Ω]
    • ⊿t=通電前と温度上昇後の周囲温度の変化[℃]周囲温度が上がった時減算し、下がった時は加算する

その他の仕様について

  • 絶縁抵抗:DC500Vメガーにて100MΩ以上(常温・常湿、コイル~フレーム間)
  • 耐電圧:AC1000V50/60Hz1分間印加するも異常のないこと(常温・常湿、コイル~フレーム間)

但し、TSD-04D、TSD-05A、TSD-05Cなどの小型ソレノイドは、絶縁抵抗DC500Vメガーにて50MΩ以上、耐電圧AC500V1分間となります。