天竜丸澤株式会社

技術情報

Technology

温度上昇による吸引力の低下

ソレノイドの温度上昇に伴い、コイルの抵抗が上がり電流は下がるため、吸引力が低下します。

ソレノイド温度上昇特性グラフ(例)
ソレノイド温度上昇特性グラフ(例)

以下の条件にて測定

  • コイル容量12W
  • ストローク2mmにて10N以上
  • 定格+10%V連続通電コイル飽和時に定格電圧を印加

対策のポイント

ソレノイドを使用する油圧機器の動作環境・仕様を基に、温度上昇の影響を加味した吸引力の設計を行います。

油圧ソレノイドのカスタマイズ時には、以下の条件についてヒアリングを実施して設計・製造を行い、温度上昇テストを実施します。

吸引力の設計に必要となる条件

  • 印加電圧
  • 通電時間(連続 or 間欠)
  • 使用環境(温度、湿度、油温)
  • 温度上昇飽和後の吸引力印加電圧

残留吸着力による可動鉄芯の動作不備

ソレノイドへの通電を遮断してもコイル内に僅かな磁気が残っているため、吸着面に残留吸着力が生じます。

戻しバネの力が弱いと、可動鉄芯が元の位置に復帰しません。

対策のポイント

遮磁ワッシャーの装着により、残留吸着力は大幅に低減します。

残留吸着力による影響

逆起電圧による誤作動

ソレノイドへの電流遮断時に逆起電圧が発生します。

電子回路の破損、電磁波による周辺機器の誤作動を引き起こす可能性があります。

逆起電圧の発生メカニズム

対策のポイント

サージ吸収回路の設置。またはソレノイドのコイルに整流ダイオードを装着します。

整流ダイオード装着による対策

磁気ショートによる動作不良

油圧機器とソレノイドの連結部材が磁性材料の場合、ソレノイドの磁気漏れが生じ外部に磁気回路が形成されます。

これを磁気ショートといい、連結部材の残留磁気によってソレノイドの残留吸着力が増大する傾向があります。

磁気ショートの発生メカニズム
磁気ショートの発生メカニズム

対策のポイント

油圧機器との連結部材には非磁性材料を推奨します。

遮磁ワッシャーを装着することで残留吸着力は大幅に低減します。